何故だか急に思い出した。


かれこれ17年前くらいの話。
当時通っていた地元のカード屋にそいつは現れた。

「これなんですか!?」
「それなんですか!?」
が口癖でカードやらルールやらをいろいろ聞かれたような覚えがある。
しりたがり症候群とも言えるそいつはしょっちゅうその店に出没した。

やがて店からデュエルスペースがなくなりあうことはなくなった。
その後人づてではあるが風の噂を聞くことはあった。
「高校を中退した」
「マジックのプロを目指す」
当時からしてみればごく少数の人間しかおらず、冗談のような話である。
多分無理じゃないかな、と思いながら進学した逆毛もカードを人に譲り引退した。


あれから17年、自分はまたインクの臭いを無性に嗅ぎたくなる生活を送っている。
しかし彼が一体今何をしているのかをまったく知る手立てはない。

中年になっているであろう彼がどこかでマジックを楽しんでいればといいなと思う。

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